ブレアアソールは、パース州の保養地として古くから知られるピトロッホリーの外れに位置する蒸留所です。
このピトロッホリーの街は、かつて夏目漱石がロンドン留学中に保養に訪れた場所でもあり、漱石が滞在したダンダラック・ハウスは現在ホテルになっている。
ブレアアソールと言えば、ブレアアソール城が有名。ブレアアソール城は1269年に建てられた由緒ある城で、アソール公はイギリスで唯一私兵を持つことを許された大貴族である。そのアソール公にちなんでブレアアソール蒸留所は名付けられたと言われているが、実際には蒸留所と城とは18キロほど離れているそう。
蒸留所の創業は1798年。ピトロッホリー周辺にはかつて30近い蒸留所があり有名なウイスキーの産地となっていたが、現在はエドラダワー、アバフェルディ、そしてブレアアソールの3蒸留所しか残っていない。
ブレアアソール蒸留所は歴史は古いものの経営が順調であったわけではなく、これまでに何度もオーナーが代わり、1932年〜1949年までは閉鎖、1949年にアーサー・ベル&サンズ社の素で大改修が行われて再開された。現在はUDV社の系列で、同社のブレンデッド、ベルのモルト原酒の生産にほとんどが回されており、シングルモルトとして出荷される量は全体の5%程度しかない。
仕込水
仕込み水にはピトロッホリーの背後にあるベンヴラッキー山の泉を利用しており、ここから流れ出した小川(オルト・ダラー川)はブレアアソール蒸留所内を流れている。
メモ
所有者 UDV社
設立年 1798年
発酵槽 ステンレス×4基、カラ松×4基
蒸留器 初×2基 再×2基
仕込水 オルト・ダラー川
ブレンド銘柄 ベル、リアルマッケンジー
見学 見学ツアー、売店あり
銘柄
蒸留所にちなむ花と動物をラベルに冠したディアジオ社「花と動物」シリーズを構成する1つ。ラベルに描かれているのは、蒸留所内にも流れている小川に生息していたカワウソ。
色は輝きのあるゴールド、香はナッツ、ショートブレッド、フレッシュ。味はまろやかでスパイシー、しっかりしている。軽く、スモーキーでドライ。フィニッシュはスパイシーでドライ、スムース。